先日は年齢退行のお手伝いで、私がクライアント役になり、セラピーをしてもらいました。
私は歯医者さんが大嫌いです。とにかく嫌い。今も行かなくてはならないのに、腰が重く、治療がひと段落すると、次の予約を入れるのに物凄く感覚をあけてしまいます。
この先歯がどうなってしまっても、それは誰のせいでもなく、先延ばしにする私が悪いのですが。
今回はその歯医者さんに対する腰の重さを緩和してほしいと思い、セラピーを受けました。
事前のカウンセリングで、実際の私と歯医者さんとの関係をじっくりと聞いていただきました。
何歳頃から通院したか、子供のころは誰と行ったか、治療をがんばったら帰りに美味しいお団子を買ってもらえた、など。過去のエピソードをお話しました。
さあ、そしていよいよ催眠で誘導してもらい、腰の重さの原因となっている記憶へ戻っていきました。
そこは3,4歳ごろに行った歯医者さんの様子でした。
生まれて初めて歯医者さんに行った日のことを思い出しました。
見たこともない椅子に座って、マスクで顔が見えない男の先生が横にいて、口を大きく開けて、開け放しで歯を削って。歯を削る前に金属で、歯石をひっかく感覚。ぞわぞわ。
数種類の薬が入った瓶。薬の嫌な味。荷物を置く椅子。履くスリッパ。
かなり詳細に、大嫌いになった歯医者さんの記憶を思い出しました。
物凄く嫌な感覚です。
いつまで私は口を開けてここにいなくちゃならないの?
年齢退行療法(インナーチャイルドケア)には独特の重さがあります。
それはトラウマとなった嫌な記憶に戻らなければならないから。
そのため、インナーチャイルドケアを受けるに当たっては覚悟が必要です。
さてヒプノセラピーのある手法を用いて、治療の椅子に座っている幼い自分を感じていると、思いがけず、そこでその当時感じていた本当の感情をはっきりと感じることができました。
子供の私はそこで、泣いてしまいたかったのです。
痛かった、怖かった、不味かった、臭かった、音が嫌だった、全部嫌だった。
しかしそんな「嫌」をまるっと抱えこんでしまい、当時は言葉にできなかったのです。
なぜなら、強く「お姉ちゃんだから、泣いちゃいけない。」
そんな気持ちを持っていたからなんですね。
本当は泣きたかったのに、泣けなかった。
それが、今の今まで、石ころのように、私の心の中に異物として残っていたのです。
ああ、小さい私、一人でこんなにも頑張っていたんだな。
それに気づいたら、例え小さな石ころのような気持ちでも、涙が溢れてきました。
頑張ったね、小さいとしちゃん。うんうん、頑張った。
そう言って、小さい愛おしい自分を心の中で大事に抱きしめてあげました。
いいんだよ、怖かったよね、嫌だったよね、声に出して、いいんだよ、泣いていいんだよ。
その気持ちをよく理解し溶かして、そして催眠から覚めていきました。
このセッションから理解を深めたことは、
気持ちとは、必ず誰かが受け取らないと昇華しないものなのだな、ということ。
人は常に感情を発しているもの。
それを自分一人で処理することは決してできないのです。
伝えたい、聞いてほしいが、人間の根本にはあり
だからこそ、耳を傾ける、心を傾けるということが、人はとても大切なのです。
最後にそんなことを思ったセッションでした。